『個人は株式取引に参加すべきではない。簡単に機関投資家の餌食となってしまうから。』これが私の株式投資に関する考え方です。私も2年間ほど株式トレードをやっていましたが、痛感しました。株投資はどう考えても個人に不利です。まず、個人は圧倒的に情報量が欠如しています。自らが良く知っている業界に投資するならいざ知らず、そうでなければ個人がアクセスできる情報なんて、新聞、雑誌、インターネット、投資先のIR発表程度のものです。帝国データバンクのレポートなど、ある程度のお金を払えばビジネスデータベース情報を得ることは出来ますが、そこまでする人はほとんどいないでしょう。また、それらを入手したとしても、通常、データベースから得られる情報なんてたかが知れてます。信憑性に疑問のある情報を入手しても、個人にはそれを確認する手段はほとんどありません。嘘の情報に踊らされる可能性も低くありません。
それに比べて、投資顧問会社や機関投資家は様々な筋から情報を得ることが出来ます。潤沢な資金力があるので、マーケットリサーチを実施したり、信用調査を依頼したり、各種レポートを入手したりすることは容易です。更に、投資先を直接訪れて有益な情報を聞き出すことが出来ます。国内および外資系の機関投資家が得られる情報量は個人とでは比較になりません。情報の精度も遥かに高いものがあります。投資顧問や機関投資家であれば、発表されればストップ安は間違いないような情報を事前に入手できる可能性も高いです。また、経験や資金力でも機関投資家は個人を圧倒しています。どう考えても株式投資は個人には不利です。個人が株で儲けることは不可能だと言っているわけではありません。不利だと言っているのです。私は、投資を成功される上で最も大切なのは情報力だと考えています。もちろん、情報量そのものが少なくても、分析能力でそれを補うことが不可能ではありませんが、機関投資家の上をいく情報分析力を有する個人は非常に少ないです。
個人は株式に投資すべきではありません。デイトレでも短期でも長期でも同じことです。ミニ株なら大丈夫ということもありません。それは罠です。長期なら情報力は関係ないと考える人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。会社なんていつ倒産してもおかしくない存在です。長期のつもりで投資した会社が短期間で倒産する可能性もあるのです。また、最初は長期のつもりで投資していても、不安定な株式市場で株価の大暴落などが起きると、資金力に限りのある個人は必ずといって良いほど動揺してしまいます。結果、混乱して恐怖のあまり狼狽売りしてしまう可能性もあります。損害を取り戻そうとして、当初は予定していなかった追加投資を行ってしまうケースも多くあります。これではリスクが低いと思って選んだはずの長期投資が、運用額の多い高リスクの投資に変わってしまいます。
市場には犯罪も多いです。信用して投資した企業の経営陣が会社資金を横領したり、不正行為に関与したりする可能性は決して低くありません。私も大金を投資していた企業が監査スキャンダルを引き起こし、連日のストップ安に頭を抱えた経験があります。腹が立ってもどうすることもできませんでした。投資家は簡単に不正の犠牲になってしまうのです。騙されて虎の子の資産を失っても法的手法によって資金を回収できる見込みなんてほとんどありません。まず泣き寝入りで終わってしまうでしょう。
繰り返し申し上げます。個人は株式市場に参戦するべきではありません。株取引以外にも資産運用の方法はたくさんあります。何かに投資するのであれば、自分が知っている分野、得意とする分野に投資しましょう。そして、自信がないのであれば、定期預金などの低リスク商品にのみお金をつぎ込むことを提案します。株で高収入を得ようなどとは考えないことです。苦労して貯めた大切な資金を、証券会社などの営業社員の甘言に乗せられて失うことがないよう、十分注意してください。個人が投資で負けても捨て置かれるだけです。誰も損失補てんなんてしてくれません。市場は個人に極めて残酷です。株投資は止めましょう。