株取引の経験者であれば、間違いなく信用取引に興味があるか、実際に取引をしたことがあると思います。
投資家が信用取引を始める理由には二つ考えられます。
(1)空売りと可能にして投資の選択肢を広げたい
(2)手持ち資金を上回る額を投資に回して一勝負したい。
(1)については、株式投資家であれば絶対にやってみたいはずです。普通の株式売買では、株を買って売ることしか出来ません。これでは、上げ相場の時に儲けることが出来ても下げ相場の時には何も出来ません。
投資家であれば、「これは下がるぞ」と思った時に空売りを仕掛けたくなるのは当然のことです。投資は設けるためにするものです。そのための選択肢は広い方が良いと考えるのは普通のことです。
実際に、欧米のヘッジファンドなど、莫大な資金を背景に市場を席巻する大機関投資家は、空売りオプションを自由自在に駆使して相場で暴れまわっています。1997年のアジア危機の引き金を引いたのもヘッジファンドの空売り攻勢でした。そして、彼らのタイ人などの犠牲の上に巨万の富を手にしたのです。
空売りは、株を楽しむ上で、非常に有効な選択肢の一つだと思います。しかし、空売りには大きなリスクが伴います。
空売りでは、損失の限度額が存在しないのです。通常の「勝手から売る」株取引であれば、買うのに要した金額以上の損失を被る危険性はありません。最悪、投資資金が完全に蒸発するだけの話です。しかし、空売りの場合は、株価の高値に上限がないために、損失の限度額が存在しないのです。ある程度まで株価が上がったら自動的に株式を取り戻すように設定しておくことは可能ですが、上方修正やTBOなど、突然のニュースを背景に予期せぬストップ高が続くかもしれません。そんなことになったら、泣いても泣いても涙が足りません。ここに、空売りの危険性があるのです。
さて、(2)の手持ち資金を超える額の取引をするために信用取引をする選択肢ですが、これは、(1)よりもずっとリスクの高い投資手法です。FXなどと同じで、下手をすれば簡単にすっからかんになってしまいます。それまで株で儲けていたからなどと言って信用取引に手を出そうものなら、一瞬にして儲けを失い、巨額の損失を計上することになりかねません。
信用取引を利用した資金運用で大きく失敗すると、追証の悲劇が待っています。追証とは、追加保証金の略で、委託保証金率が最低保証金維持率を下回った時に要求されます。早い話が、博打で大損した人が、ギャンブルを続けるために更なる担保を要求されるようなものです。言うまでもなく、証券会社に追証を要求されてそれを支払うことは極めて悲劇的なことです。それは、信用取引の失敗を意味します。むしろ、大失敗と言った方が良いかもしれません。自分の資金力を超える取引には、大成功と大失敗しかありません。そのどちらの運命に巡り会うかは投資家の運と実力によりますが、概して個人投資家は株投資で大損を計上するものです。
以上、信用取引について簡単に説明しましたが、本記事の投稿者は、基本的に信用取引に反対です。個人投資家の場合は特にそうです。もちろん、株価下落時のリスクヘッジに使用するなど、信用取引をリスクの回避をする目的で利用することも可能ではあります。しかし、往々にして、人は欲に抗うことが出来ずに、高リスクの取引に手を染めてしまうものです。
素人の私が投資のプロに向ける言葉はありません。しかし、もし貴方もアマチュア投資であれば、投資家仲間の一人として、くれぐれも信用取引には手を出さないようにご忠告させて頂きます。私は取引で膨大な損失を被って大きな人生の痛手を負ってしまった人を多く見てきました。貴方にそのような不幸を経験して頂きたくはありません。
プロの甘い言葉に乗せられてはいけません。機関投資家やプロは、アマチュア投資家を食い物にして財を築いているのです。